ウクライナに車いす1000台を届けよう

日本国内では年5万台の車いすが廃棄

戦火のウクライナからのSOSを受け、中古車いすを整備して海外に送ってきた日本の団体と、海運会社・運輸会社のNYK(日本郵船)、郵船ロジステック、商船三井、商船三井ロジステック、株式会社三協がスクラムを組み、ウクライナに車いすを届けることになりました。

・2022年12月出荷、第1便145台(キーウの国立子ども病院とイバンキフ村の社会サービス地域センターに配布)

・2023年1月出荷、第2便150台(ウクライナ西部テルノピリ市の病院や児童養護施設に配布)

・2023年5月出荷、第3便215台(ハルキウ州やドネツク州に避難中のルハンスク州リシチャンシク市住民に配布)

・2023年7月出荷、第4便305台(ハルキウ市サルトフスキー区の社会サービス地域センターに配布)

・第5便250台(2023年12月出荷を目指して準備中)

WHOもお墨付き

マリー・エリザベス・クイン 欧州地域事務所地域アドバイザー(緊急時の障害者インクルージョンとリハビリテーション)から以下のメッセージを受け取りました。

 プロジェクトの計画をレビューしたところ、この支援に関する懸念は一切ありません。人道的原則に違反していないことは明らかで、WHOはFFUの「ウクライナの人々のための車いす」プロジェクトを支援します。ドナー(寄付者)から問い合わせがあった場合、私宛に回して下さい。それでは実施に向け幸運を祈ります。皆様のご健闘をお祈りしています!

Japan Wheelchair Project for Ukraine関連団体から支援のお言葉

  • 希望の車いす 谷理事長「オールジャパンでの支援は心強い」

  • さくら車いすプロジェクト 斎藤代表「車いすは逃げる時に荷車としても役に立つ」

  • CIL・かんなべ 桂代表「持続可能な車いす支援を」

  • 海外に子ども用車椅子を送る会 森田会長「車いすのない子どもたちに外出の喜びを」

  • 「飛んでけ!車いす」の会 吉田代表理事「戦禍で傷ついた人に安心して使ってもらえたら」

希望の車いす・谷雅史理事長(東京)

「車いすがあれば、自由に動ける、希望が持てる、人生が変わります」

メリー・ペナー宣教師の息子ダニエル君(写真)は3歳で進行性の難病と診断され、車いすの生活を余儀なくされました。日本の医療と福祉制度のおかげで体の成長に合わせて4年ごとに新しい車いすの提供を受け、学校にも家族旅行にも出掛けることができました。

2000年秋、ペナーさんは使われなくなった車いすを回収・修理して困っている人に贈る活動を始めました。06年に「希望の車いす」が発足。それ以来、アジアを中心に日本で整備したきれいな車いす3111台(2023年5月19日時点)を無償で贈り届けています。見学歓迎、第2、4土曜日ボランティア空きあり。

さくら車いすプロジェクト・斎藤省代表(東京)

2000年ごろより車いす屋の「さいとう工房」に視察や研修に来た発展途上国の障がい者リーダーたちに中古の手動や電動車いすを贈ったり、修理やシーティング技術の伝承をしてきました。10年ごろからはコンテナで送り現地でワークショップを開催してきました。パキスタンでは障がい者自身が月に600台以上の車いすを製作するまでになりました。車いすと技術をともに提供するのが「さくら車いすプロジェクト」です。現在モンゴルやネパールには手動車いすを、パキスタンには電動車いすを送っています。

広島県福山市の障害者団体「CIL・かんなべ」桂達也代表

さくら車いすプロジェクト広島支所長。20代の事故で重度の障害を負った桂さんは電動車いすを利用する障害者。福祉用具レンタル・販売会社で利用者に合わせて車いすを調整する仕事に関わるうち「まだ使える車いすをそのまま廃棄処分にしていいのだろうか」と思うようになりました。

全国自立生活センター協議会(JIL)で「海外に送る電動車いすを探している」と聞いて協力するようになり、退職後も友人やボランティアの協力を得て支援を続けています。今回もウクライナ支援の話を聞き、真っ先に車いすを送りました。

海外に子ども用車椅子を送る会・森田祐和会長(東京)

子どもの成長は早く、車いすはすぐに合わなくなります。10万~30万円もする高額な車いすを補助金を申請して2~3年で買い換えることになります。途上国では障害のある子どもたちの多くは車いすがないため家の中にいないといけません。

一日中ベッドの上で過ごし、日光浴もできない子どもたちが多いのが悲しい現実です。森田さんの子どもにも先天性障害があり、子ども用車いすの有効活用を思いつきました。これまでに26カ国に9395台(2023年6月現在)を贈っています。

「飛んでけ!車いす」の会・吉田三千代前代表理事(北海道) 

「手から手へ、誰でもできる国際貢献」

日本で使われなくなった車いすを集めて修理し、海外旅行をする旅行者の手荷物として途上国の病院や施設に直接、送り届けています。

私たちの思いを乗せた車いすを手から手へ届けることによって障害のある人が社会に参加できる機会を提供しようと考えています。車いすを通じて多様な人がつながる場、活躍する場をつくります。車いすを通して出会った人々の声を伝え、国境を越えた相互理解を深めたいと思っています。

豊橋西ライオンズクラブ(竹田源太郎会長)と愛知県立豊橋工業高校

10年以上前から豊橋西ライオンズクラブと連携して、豊橋工業高校では3年機械系学科の科目「課題研究」でアジアの障害者に贈るための中古車いすの修理に取り組んでいます。生徒が修理する車いすは年約 50 台~70 台、これまでに計1000台以上修理しています。東三河地方の個人のほか、病院や老人福祉施設などから使われなくなった車いすを回収し、パンクの修理やフレームの溶接、保安部品の交換などを行っています。

無償支援をいただいた企業様一覧

日本のFFUのサポート役(ロンドン)

  • 木村正人(在ロンドン国際ジャーナリスト、元産経新聞ロンドン支局長)

  • 妻・史子(元日本テレビロンドン支局勤務)

  • 大脇三千代(元TVドキュメンタリーディレクター、放送ウーマン賞)

  • 森岡亜季(webサイト制作補助)

  • 鈴木ナオミ(協力、在ロンドン歌手、慈善活動家・Save the kids project代表)